幽洞の備忘録

ゲームやって思ったことかく。

ポケモンSV雑感

さっとらです。

 

ポケモンSVです。

 

 

昨年11月18日に発売されたSVの感想です。11月の後半から年末年始までは個人的に割と忙しく、ポケモンを楽しむだけで精一杯だったので、こんな時期になってしまいました。

シナリオについて考察しながら褒めちぎる記事は他にもたくさんとあると思うので、ざっくりと短めにまとめたいつもりです(それでも褒めちぎるつもりなんですけれど)。

例によって、基本的に自分が後から見返して当時の感想を思い出すために書いているので、読みにくさはご了承ください。シナリオのネタバレもあります。

 

 

 

 

 

 

パルデア地方の旅2022

 

 

ストーリーについて

最初に言っておくと、とても良かったです。

自分は剣盾やLEGENDSアルセウスのストーリーも好きな部類だったのですが、剣盾は殿堂入り前・ダンデ戦直前あたりの展開やソッド・シルディのパートで、LEGENDSアルセウスでは理由付けは理解できるもののオリジンディアパル戦前の人物の動機とテンポ感で、満点のストーリーではないのかな……と感じていました(このパートの中でも勿論いいところはありましたし、ここ以外のシナリオパートは基本的に大好きです。どちらも終盤というだけあって演出は素晴らしかったですし)。

これが、SVでは最終盤のストーリーを読み終わったときに「これは文句なしで最高のストーリーだったな……」としっかり思うことができました。では、ザ・ホームウェイ開始前と後で分けて振り返りたいと思います。本当は各ルートしっかり見たいところでもあるんですが、まあクリアから時間も経ってるので軽い感じで……。

 

バッジ集めの旅

 

チャンピオンロード、スターダストストリート、レジェンドルートは割と同時並行で進めて行きました。クリア前まではまさか4つ目のルートがあんなボリュームで存在するとは思ってもなかったので、発売日当日にちょうど3ルート終わらせるペースを目指して進めていました。というか発売日当日しか休みが取れなかったので仕方なかったのもあるんですけど。

同時並行と言っても、これは道中迷走した結果で、最初は反時計回りにパルデアを一周する予定でした。まあ速度重視だったので右往左往するよりは早いだろうと楽観視してたんですよね……。結果として、まあ他のトレーナーと同じようにメロコ戦で難易度の異変に気付きました。

メロコ自体は直前に捕まえたガケガニの種族値パワーでなんとか突破してます。まあメロコに限らず中盤まではガケガニパワーでけっこう押し通してるんですが。ちなみに今作の序盤高種族値でお馴染みカラミンゴさんは、序盤に寄り道しなかったためにこのとき出会ってすらいません。

 

このあたりが確か発売日の午前5時あたりだったはずで、「ジムの順番は自由だがレベルは固定」「スター団は割と難しい」「各ヌシを倒すと解放されるミラコラの性能」のような情報が広く回りはじめた頃でした。結果として自分の左回りルートはその先のナンジャモとミミズズを倒したあと、チーム・カーフのアジトの前に聳える崖を見上げながら諦める形となりました。もともと早めのクリアを目指しており、左回りにそこまで拘りがなかったのもあります。チーム・シーのアジトも近くにありましたが、これは単純に見落としてますね多分……。

ハッコウジムの校長で一頻り笑って、ミミズズ鎮めたあとテーブルシティまで戻ったのが結局朝の7-8時くらいになりました。

序盤のこのあたりまではかなり熱中してプレイしていて、とても楽しかったです。特にコルサとナンジャモはテラスタルの使い方が別のベクトルで面白く(モチーフ重視兼弱点を突けるウソッキーと、弱点がなくなるムウマージ)、戦っていてこれから始まる新しい戦い方に胸が躍りました。クリアした今になって思い出してみると、ジムリーダーは基本的に元タイプの弱点を突いてくるポケモンに有利なタイプにテラスタル、でほぼ固定なので、実はナンジャモが少し変化球なだけなんですけど。

 

その後はリップはさすがに後に回しつつ、右回りルートでほぼ回り終えました。一応コライドンの機能が解放されるレジェンドルートを少し優先して取っていたと思います。

お昼くらいに初の処理落ちを経験したあたりで予約していたパッケージ版のバイオレットが到着、設定集など見つつジム巡りが終わったのが夜の11時半頃でした。

半分あたりでヌシを全部倒し終え、そのままペパーに挑んだらレベルが高すぎて一敗してます。本編のシナリオで敗北したのはかなり久しぶりだったので少し新鮮でした。

 

 

その後も特段難易度が高い箇所はなかったので、1時頃には3ルート終わり、スタッフロールがないことで何かを察しつつも発売日のSVプレイは一旦終わらせています。21時間くらい。

 

3ルートの感想としては、良くも悪くもジムの順番が自由だった点が印象的です。自分はもともとポケモンシリーズの魅力として、プレイヤーごとの手持ちポケモンや覚えさせた技、戦い方によって、同じシナリオをなぞったとしても他人とは違った自分だけの体験ができることがあると思っています。今作の自由度の高いジム巡りは、この点において「誰を、何番目に、誰で攻略したか」聞くだけでも盛り上がるような楽しさがありました。

反面、前にも触れたので今から多くを語るまでもありませんが、難易度(レベルの設定)に関してはもう少し工夫の余地があったようにも思えます。また、ジムの順番が自由である以上、SVではジム巡り以外のシナリオ(伝説ポケモン、悪の組織等のパート。今作では悪の組織が実質いないため、エリアゼロがここに当たるのでしょうか)とジム戦を絡めることができません。ジムバッジの数と物語の進行、この両方から感じられる後半にかけての「いよいよ佳境か……」という感覚がジム巡りからは無くなってしまったのは少し残念でした。まあ、これも今作最終盤の伝説ポケモン関係のシナリオの出来なら全然良いのですが。

一定方向にパルデア1周できなかったのは割と未練だったので、バイオレットの2周目は時計回りで巡りました。

 

ザ・ホームウェイ

3ルート終了後に始まる最後のルートがザ・ホームウェイで、パケ伝の正体やペパー関係の清算パラドックスポケモンの登場、最後の敵との決戦がここです。

 

めっちゃ良かった~~~~!!

 

いや、良かったですよ、これ。

それぞれのルートで別々に仲を深めてきた3人が初めて一堂に会した冒頭だけでもテンション上がりましたが、その直後、エリアゼロに踏み行った瞬間の光景と音楽といったらもう鳥肌が止まりませんでした。しばらくは歩いてるだけでめちゃくちゃ楽しかったです。風景が良すぎて一周目は3人の会話を度々見落とすくらい。あと戦闘bgmも最高にかっこいいですよね、通常戦闘でこれ???

 

展開されるストーリーはポケモンの中では割と重めで、というか人死にが出ること自体珍しいんじゃないでしょうか。情報の出し方も凝っていて、かつ雰囲気があって良かったです。

冒険していて若干の怖さみたいなのがあったのも良かったですね。これまでのポケモンでも「怖い」演出は各作品につき1イベントくらいはありましたが、どれもステレオタイプなホラー感漂う直接的な表現だったので、エリアゼロの見た目だけは綺麗な結晶と上層の眩しいくらいの光量、変なポケモン、結晶化した木々や建物(+AI)といった美しくも不気味なマップはとても新鮮な気持ちで楽しめました。

ラスボスさんも今までのポケモンにはいなかったタイプの悪で、AIも含めて色んな矛盾を抱えた彼女(彼)の考えと行動はとても面白かったです。原点にあるのが憧れと冒険心、探究心と、主人公となんら変わらないポジティブな出発点なのもあって今作では特に好きな人物でした。

 

加えて自分はザ・ホームウェイの直前にアカデミーでスカーレットブックを初めて読んでいたので、「本に書かれた内容が本当にある!」といった感動も味わえました。(最後までラスボスは3犬が合体した「幻のポケモン」だと思ってました)

 

最終盤のバトルはここまでで上がってきたテンションをさらにぶち上げてくれました。元々RSのチャンピオン戦で進化形態含めて完全初見のメタグロスが出てきたり、DPでも事前に見ることが難しく見た目も不気味なミカルゲが初手で出てくるような、手持ちポケモンで混乱させてくるラストバトルが好きだったので、手持ちの半分が初見のポケモン&設定がやばいことだけは分かっている状態&名前のセンスが異常な今作のラスボス戦は最高でした。パラドックスポケモンの明らかに異質だけれど、どのポケモンの古代(未来)の姿かはすぐに分かるようなデザインも本当に秀逸でしたね。

そういえばチャンピオンロードの項で書き忘れましたが、もちろん今作だとオモダカのキラフロルも初見で感じる異質感があって好きです。特性的にもインパクト的にも初手で良かった感じもあるけど……

 

その後の楽園の守護竜戦は早々に旅の仲間のラジコンになればいいことが分かったので戦闘としては微妙でしたが、楽園防衛プログラムの名前がバグったり、手持ちの別枠にずっといたコライドンの意味が回収されたりと、演出の面ではこれも最高でした。前作Legendsアルセウスのウォロ戦で「ポケモンってこんな演出付けたバトルも作れたんだ」と感動したので、2作続けてこれを味わうことができて良かったです。

ラストシーンは特に直接的な比喩表現はないものの、どうしても赤緑のテレビを連想する場面でした。ラスボスとの別れも含めて前向きに、ここまで爽やかな気持ちでストーリーを終えたポケモンは初めてです。ありがとう!

 

 

 

その他のサブイベントについて

ポケモンSVはサブイベントが少ないです。usumで訳分からん数まで増やして、剣盾で少し減らして、Legendsアルセウスでナンバリングしながら整理したと思ったらこれなのでもう分かりません。一応そのエリアのトレーナーを全員倒すと道具が貰えたりはしますが、ストーリー性は何もなく(強いて言えばパルデアではリーグがバトルを促進する為にこんなことしてるのかあ、と思うくらい)、味気ないものです。

しかしながら、とある町のとある場所だけは過去作と比べても尋常ではない量のサブイベントを抱えています。もちろんアカデミーのことです。

 

メインのシナリオに片足突っ込んではいるものの(ストーリー進行中に授業も受けろという誘導めいた台詞があります)、主人公の学校生活に関してはいつ、どの順番で何を受けるかが自由(一応バッジの数で開放される授業は異なりますが、一度開放してしまえばあとはプレイヤー次第です)となっており、それぞれの授業ごとに進行度やテストが設定され、しまいには教師との絆を深めることができます。全て回収しようとすると相当の時間が必要となり(ジニア先生だけでも図鑑完成が求められるので、最低でも図鑑埋め以上はかかる)、今作ではシナリオクリア後の新マップや、バトルタワー、コンテスト等のやり込み要素がないことを考えると、十分クリア後要素の一端を担っていると言えるでしょう。

これらは入学〜宝探し開始までと、エリアゼロ後のあれこれを除けば進める/進めないは完全にプレイヤーの自由で、最悪全く授業を受けなくても特に支障はありません。ですが、このアカデミーでのイベントの内容とボリュームは今作で特に楽しめた要素の1つでした。

 

とは言っても自分が初めて授業を受けたのは3ルートをクリアしてからエリアゼロに行くまでの間で、その理由も捕まえた準伝・イーユイの図鑑説明の補足を求めてでした。結果として歴史の授業ではエリアゼロに関する話がかなりあり、これを知っているかどうかでザ・ホームウェイの楽しみも変わってくるので、タイミングとしてはギリギリセーフといったところでしょうか。

 

 

歴史の授業は特に授業の内容と教師との絆深めパートがリンクしていて、ポケモン世界における学生生活、研究生活の一旦が見られた一連のストーリーはとてもテンションが上がりました。

 

 

その他の授業・教師とのサブイベントも、どれもユニークな内容で楽しめました。ポケモン勝負における確率の数値をゲーム内ではっきり言い切った数学と、人物として個人的にお気に入りだったクラベルが特に印象に残っています。

 

 

ストーリーとの関係はさらに薄くなりますが、Legendsアルセウスの要素も嬉しいところ。量もあっさりしていて良い感じ。アカデミーにはレジェアル主人公の成したことと関する本があったりもします。

 

 

 

グラフィックについて

今作のグラフィックについて、自分なりの評価をするのは少し難しく感じました。前提として、ポケモン以外のゲームと比較することはしていません。

SVのグラフィックはSwitchで出た剣盾、BDSP、Legendsアルセウスらと比べるとリアル寄りで、特に人物の顔などではこれが顕著です。Switchのソフトだとnewポケモンスナップの方が少し近い気がします。この作品そのものの方向については良い悪いで判断するよりは個人の好みの問題になるのでしょう。背景等のグラフィックが良くなるにつれて、これと違和感がないくらいまで人物も多少現実に近くする必要があったのかもしれませんし、ポケモンのデザインとも違和感がないように、と考えると正解を出すのは難しいように感じます。

最も重要なポケモンの描写については毛並みや鱗、金属光沢など、どこを取っても過去の本編の上を行くものです。じっくりと観察するのは簡単とは言い難いものの、強風で飛ばされるハネッコのような、マップ上での固有のモーションや、待機時の動きにも力が入っています。

マップについて、SVではマップ上の「見えているのに行くことができない場所」が剣盾と比べて格段に少なくなっています。これは所謂ハリボテを作れなくなることにも繋がるため、ヒキでマップを見たときの描写、表現は剣盾よりも劣っていると言っていいと思います。アラベスクタウンの大樹と森だったり、シュートシティのビル群といったスケールを感じられるマップは少ないです。まあこれも一長一短で、シュートシティの「町はこんなに大きいのに行ける場所少ないな!?」みたいながっかり感は今回はゼロになっています。テーブルシティほど規模が大きい町になると、遠景に入れても剣盾に負けないカッコよさがありました。また、パルデアは説明にもある通り自然豊かな地方で、町以外のマップはワイルドエリアの順当な進化という感じで良かったです。

 

Legendsアルセウスは別枠として、SVは剣盾以来の完全新作となります。剣盾はSwitchで出た初の完全新作(ピカブイは別枠として……この言い方は例外が多すぎて失敗でした)なので、発売当初は3DSからのグラフィックの進化に驚く声が多数ありました。

Legendsアルセウスは和風なタッチと絵画のようなグラフィックが特徴的で、剣盾とはまた違った良さで差別化されています。

この点、SVのグラフィックも悪くはないのですが、これまでの本編の新作と比べると新しい面や、特徴的な要素が少なかったかなあ……と個人的には思えてきます。それでもSVがSwitchデビューとなる過去作ポケモンに関しては、やっぱり見つけるたびに剣盾のような感動がありましたが。

 

操作性など

フィールド操作は基本的にはアルセウスと大きく変わらず、不便な点もありますが(滑空時の時間による降下と、発動時の上昇の消滅など)、オープンワールドのゲームを他に知らないこともあって個人的には満足です。むしろ剣盾に戻ると小さな段差一つに躓いて首を傾げるくらいには慣れてしまいました。ダッシュ時と滑空はどうしても気になりますけど、一度シナリオクリアすればLegendsアルセウスみたく動き回る必要がほぼなくなるのでまあ……

 

メニュー画面のUIも、本音を言うとL egendsアルセウスとボタンを統一して欲しかったですが、とりわけ悪いという訳ではありません。カメラの起動や着せ替えなんかは暫くどこにあるかも分かりませんでしたが、これも1ヶ月ほどで慣れました。

 

最大の問題はボックスの操作についてです。とにかく表示が遅い!切り替えも遅い!しかもusumのようなボールマークで待機ではなく関係ないポケモンと置き換えられたりするものですからたまったもんじゃありません。これを書いている現在はHOME連携の日程すら決まっていないため、ボックスには図鑑埋め用のあまり使わないポケモンも多くおり、整理に費やす時間も多くなるので非常に困ってしまいます。これのせいで、全体の操作性についても手放しで良いとは言えないというのが正直なところです。

 

 

 

感想

ストーリークリアまでのシステムやマップで言うならば、初のオープンワールドということで、その良さもありつつ、前作の良さが引き継げてない点もありました。プラマイゼロって感じでしょうか。ここに加えてストーリーがとても良かったので合計は大幅にプラスで、全体的にはすごく楽しむことができました。新ポケモンも面白いのばかりでしたね。

ひとまず今はエリアゼロの謎も明かされきっていませんし、HOME連携もまだなのでこんなところでしょうか。早くヒードランが来ることを願って。

 

それでは