幽洞の備忘録

ゲームやって思ったことかく。

キビキビパニック

あけましておめでとうございます、さっとらです。

SV DLC番外編の感想。

 

 

 

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配信前の話

なにぶん前例のない配信のされ方だったので、発表から配信までの間も少し不思議な扱われ方をしていたのを覚えています。

 

12月20日の予告映像の話題のなり方もすごかったですね、もともとDLC発表時点ですらホームウェイの3人がキタカミやブルーベリー学園に行く妄想が散見されるほどだったので、貯めに貯めてついに、となれば一気にトレンドを席巻していました。

いま見返しても動画終盤の看板と桃の置物のカットめちゃくちゃ良いですね、考察に触れない人はこれを見て「そういえばともっこ従えてるこいつ誰なんだ…?」って思ったりしたんでしょうか。

 

配信当日も23時に一応まぼろしモモンの映像(モモンのローカルCMみたいなやつ)が投稿されました。自分はここで「ふしぎなおくりもの」を通してのイベント追加ということを初めて知りました。アイテム入手で発生するタイプのイベントは5世代以前の幻のポケモンの趣を感じられて良かったですね、もっとどんどん復活してくれ……!

 

シナリオ

 

まぼろしモモン入手後、桃沢商店に行くことで小さなイベントが発生、タイトルが出てきて番外編のスタートとなります。

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え、これ現実?

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現実????


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???????????

なんか二次創作でもそうそう見なかった、ホームウェイ組4人が主人公の家でくつろぐとかいう、ちょっと考えられない展開で始まりました。

この辺りは戦闘もなかったので、23時スタートの民は進行度が同じくらいで、皆が皆幻覚を見ているように困惑していたのが印象深いです。

 

休学していたスグリくんとも特に問題なく(本当に何の蟠りもなく)再会し、3人との初対面イベント……いや本当になんなんだこのストーリー……番外編ってのはポケモン本編なのにポケモンが出てこないのを意味していた…?

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満を辞してのガイド、「スグリに会いにいこう」。これだけでもう最高なんですよね。

 

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手紙で毎回ついでのように付け足されるねーちゃん好きでした、手紙出してすぐって台詞があるのでこの頃はマトモゼイユ。

 

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あとなんかこの人どんどん重くなってないです?生い立ちが生い立ちだけに笑って済ませられないんですけど。

 

加えてボタンの父親匂わせやら120%想像通りだったネモとスグリの初対面やら突っ込むところしかない日常パートが前半続きます。

 

 

で、日常パートに終わりを告げるのがキビキビしてるゼイユな訳でした。散々おもしれーおもしれー言われ続けて進化しちゃったよ…。

 

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なんか……扱い雑じゃないか?

 

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スグリくん基準だとあれでもギリ正常判定にされてしまうのか……。

 

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不穏な雰囲気が漂いますが、スグリまで合流して、いよいよ夢のような画が次々と出てきます。公民館のイベント、展開上はネモが操られる流れの一部ではあったんですけど、それぞれの過去を抱えたこのメンバーが年相応のわちゃわちゃやってて良かったですね。f:id:greennoise:20240119073140j:image

シリーズ最新作の、最新エピソードでテレビのリモコンを探すゲームある!?

 

そしてここからがいよいよホラー本番……なんですが、bgmとnpcの動き、ところどころ入るツッコミどころのせいで独特の味わいになってます。気がついたら村中の人がおかしくなっていた!とか、仲間が1人ずつおかしくなっていく!とか、けっこう王道行ってるはずなんですけどね……。

 

最初に相手するのはポケモントレーナーのおじさんとポケモントレーナーのおばさんです。

 

ポケモントレーナーのおじさんとポケモントレーナーのおばさん!?

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そんな……そんな名前ある???というか一応「ポケモントレーナー」って肩書き自体まあまあレアな気がしてたんだけど……。
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え、そのふざけた名前で出してくるポケモンのレベルが79なことある!?歴代の1周目チャンピオンとかより余裕でレベル高いんですけど……

 

スイリョクタウンの人たちもしっさりキビキビ言わせるの、丁寧で良かったですね。舞台が現代日本なだけにより不気味な感じが増します。ポケモンセンタースタッフはさすがに操られてませんでしたが、ちゃんと台詞は変えてある凝り方。

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スグリの祖父母と初戦闘!こんな形で戦うの!?名前そんなだったの!?レベル高いな!?何回驚けばいいんだここ

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戦闘は基本的にスグリくんとのタッグバトル。藍の円盤では手持ちにいなかったニョロボンが初手というサプライズもありました。

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藍の円盤で目にハイライトが戻ったと思ったら、勝負で覚悟を決めるとハイライトが無くなるとかいう属性に昇華させてる…?

というか、ネタにまで使ってる???

濁してると言えば濁してるんですけど、やり方が完璧だし、誰も不幸にならないし、まあこれでいいか……。

 

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そして黒幕がついに登場!主人公たちの目の前で意識を奪われ操られるペパーとボタン!


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も、まあ絵面がこれなので状況の割には絶望感は薄め。しかも操られ方にも個性を出してくるという……。

 

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逃亡したモモワロウを追いかけて、ともっこプラザで最終決戦です。ここの可愛らしい逃げ方から少しずつ桃の個性が見えてきます。

 

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ネモが待ち受けているのまで含めて予想通りの展開でしたが、ここの相棒感良いですね!闇堕ち前ではここまでの関係性になかったので、いろんな過去を乗り越えて成長して、その結果という感がすごくします。

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この後のネモ戦、モモワロウ戦でも戦闘中の背景ではずっとスグリが全村人相手に戦っていていいんですよね。これだけの人数相手に大立ち回り演じられるとか憧れてた鬼さま以上にかっこいいぞスグリ…!

 

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肝心のネモ戦は手持ちも6匹揃った難敵ですが、戦闘のテンションとしては終始こんな感じ。御三家のテラスタイプを最後の最後で変えてきたのは良かったですね、レベルがレベルなので御三家をエースとして使い続けていたトレーナーはタイプ一致技を受けられてびっくりした人も多いんじゃないでしょうか。

 

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そのままモモワロウと戦闘、捕獲してキビキビパニックは終わりです。ぽにおを出すとぽにおが怒って、ともっこを出すと逆にキレられるとかいう特殊演出があるとか(相手が推定毒タイプだったので普通に手持ちから外していた)。

 

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モモワロウ捕まえたあとの会話!この内容を笑ってできる日が来たのか……!

 

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「番外編」としては100点満点じゃないでしょうか、重すぎず軽すぎず、関係性とキャラの掘り下げはグイグイやってくる感じでした。というかスグリゼイユ休学で本編終わるのもあれなので完結編でいいんじゃ……でも藍の円盤と直接繋げると温度差すごいし……。

 

 

モモワロウ

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今回のシナリオのラスボスであり、碧の仮面の黒幕とも言えるポケモン。これまで様々な点からその存在が考察されてきましたが、ついにお披露目となりました。タイプはゲンガー以来の毒ゴースト複合。

一貫して悪いポケモンなのに、表情が可愛すぎるだろ……、自分は口を大きく開けて慌ててるところが好きです。

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ゲーム本編の描写だけだと微妙に目的が分かりにくいのですが、第一にかつてお面が保管されていたキタカミセンターに向かったことを考えるに、やっぱり狙いはともっこと同じくオーガポンのお面にありそうです。その後踵を返してともっこプラザに現れ、ここでキョロキョロしていたのを見るに、想定と状況が違ったことからともっこと合流して情報共有を図ったのでしょうか。尤もお面もともっこも主人公の手によって回収済みなので、情報不足から行動全てが後手後手に回り、結果として目的が分かりにくくなっているのは味です。

モモワロウとオーガポン、ともっことの関係はおおよそ戦闘時の演出から受けるイメージのままでしょう。個人的には捕獲したとはいえまだともっこを信じきれていない部分があったので、ともっこが裏切らずにこっち側についてくれることを前提とした描写があったことは少し意外でした。お前ら、かつての主人よりも俺を信じてくれているのか…?それとも力で勝てないから従ってるだけなのか…?

 

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能力については微妙によく分かりません。毒のモチには欲望と能力を引き出す力のみがあって、これを食べた相手を操るのが鎖、ということになりそうですが、劇中では鎖は出てこず、モチ=洗脳というイメージが強かったです。キビキビダンスは操った相手の、何も指示を与えていない状態なのでしょうか。

スグリ祖母にモチを勧めさせる、一部トレーナーにバトルを仕掛けさせる、ともっこプラザに人を集める、等の描写から本気を出せばかなりの精度で操ることができそうなので、もしかしたらキタカミの歴史がともっこ有利に変わっていることにも関係しているかもしれません。

 

性格は臆病固定で、劇中でも商店前から逃げ出したあたりでその描写がありました。目覚めてから(ペパーからの電話があった時点から)大暴れするまで、少なくとも数日あった訳ですが、この間お面の確認にもともっことの合流にも向かわず、ゼイユら一部の村人の洗脳だけしていたのも、モモワロウが臆病だったために確実に上手くいく算段が着くまでは動かなかったと考えれば合点がいきます。逆説的に考えると、ネモを手駒にできたことは相当安心できる要素だったとも言えそうです。

 

まぼろしモモンの配信期間は特に設定されていないようですが、一応扱いとしては「幻のポケモン」になるようです。ケルディオメロエッタDLCさえ買えばいつでも手に入る訳なので、DLC終盤で手に入っても幻って扱いになるようになったんでしょうか。ポケモンでは珍しく最後まで徹底して悪役だったポケモンなので、今後の世代で再登場したときの扱われ方も気になります。

この大きさの幻のポケモンらしく合計種族値も600あり、ステータスは防御がバカ高く、他は全て同値というかなり歪な形をしています。各種サイトで確認するまでもなく、捕獲後に実機で確認して「変な数値してるな」とわかる歪さ。

 

 

リーグ部

キビキビパニッククリア後は大方の予想通りリーグ部にホームウェイの3人を呼べるようになり、人物の掘り下げがかなり追加されています。

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スグリくんは平気でオーガポンの話振ってきます。3回部室に来るとカジッチュを交換でくれるという、分かる人にとってはドキッとする仕込みも。

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前編時点で既に手持ちから外されていたオオタチについて心配する人もちょこちょこ見かけていましたが、こちらもちゃんと回収。

ちなみにキビキビパニックではニョロボンを使っていましたが、再戦時にはチャンピオン時代の手持ちに戻っています。カリンはあんなこと言ってましたが、好きなポケモンと勝てるポケモンを割り切って考えているトレーナーが多いのも事実ですし、ここをしっかり分けてるメインキャラが現れてくれたのは個人的には好印象。

 

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ねーちゃんの方はもう暴れ放題です。

 

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キビキビパニック組とは関係ないところだと、地味にタロのお父さんが判明したりしました。それと上流社会でもしっかりネモしてるネモ。

父親といえばボタンとピオニーについても、名前はしっかり出てきませんでしたが、かなり核心に近づく発言がありました。これもう答えだよな…?

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例のごとく3回部室に呼ぶとポケモンの交換ができます。ネモからはlv.50のケンタロス(交換で貰えるポケモン努力値が振られているのは珍しいのでは)、ボタンからは悪テラスの夢イーブイ、ペパーからは「珍しい特性」のホシガリス(ホシガリスの特性なんて知らんが?)とそれぞれの個性が出ています。

 

 

配信後の話

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ゼイユがこう言っている通り、シナリオ中ではモモワロウとともっこ、オーガポンの関係性について語られることはありませんでした。

しかしながら、モモワロウ戦での演出等から何らかの因縁があるのは明らかで、1/12〜1/15は様々な仮説が飛び交い、考察が活発に行われていました。特に拡散されたのはお面とモモワロウとの関係についての考察で、「キタカミでお面を被る風習があるのはモモワロウの餅から口をガードするため」「モモワロウはお餅を口に入れないお面をしたオーガポンと男が邪魔だったから狙った」「楽土の荒地の看板はモモワロウに操られた人のことを指している」といった説が次々と流れてきました。

ゲーフリが考察要素を散りばめつつも正解を出すことはせず、プレイヤーの想像に任せるのはいつものことなので、自分もこれらの話に乗っかりながら背景について想像したものです。

 

が、ここは前例のなかった番外編。1/15の夜に突如として解答編が公式からお出しされます。

 

 

 

謎に包まれていたモモワロウがお面を狙った目的は、(本編では噂レベルの登場すらなかった)お爺さんお婆さんが欲しがったからであり、そのほかオーガポンと男を襲った詳しい経緯や能力の詳細などが明かされ、TLは再び混乱へ。

モモワロウのもっと愛して欲しかったという動機には同情もできますが、そのためなら平気で手下に物を奪わせ、オーガポンと男も襲える価値観はおよそ善とは言えません。そうは言っても所詮はモモワロウもポケモンで、人間とは善悪の価値基準から違うのかもしれません。しっかりと可愛がったうえでダメなことはダメと叱ることができ、ついでにモチを決して食べないようなトレーナーのもとでないと人間との共存が厳しいタイプのポケモンといったところでしょうか。まあ1000種類もいればそんなやつもいるか……、俺がたっぷり可愛がってやるからな……。

ところでオーガポン的には同じ手持ちにいることに対してはどうなんですかね、いやまあそもそも既にともっこがいるので今さらではありますが。

 

 

おわりに

DLCの番外編という初の試みかつ、アイテム入手で発生するイベントの復活という異例づくめのエピソードでしたが、全部通して見てみると、

・温度が違いすぎるから藍の円盤とくっ付けるのは難しい

スグリ(とゼイユ)の休学期間が存在する以上、現実でも時間を開けないとプレイヤーと主人公とで再開時の感覚が異なってしまう

ということから、番外編として期間を開けての配信にしたのは大正解だったように思えます。

内容に関しても、SV全体として未回収の要素が放置されている部分はあるものの、回収できそうな部分はしっかり拾っている点、そして何より人間関係という面では力技でも無事最良の場所に着地させている点はさすがだったと思います。

今後のSVにシナリオの追加があるのか、はたまた次回作まで何もないのかはまだ分かりませんが、とりあえずキタカミの里の殆どの要素の回収と本編シナリオからずっと続く3人+スグリゼイユの関係の総括は、終わりとしては満足できる内容だったと思います。演出も広報も凝っていて、年末年始はキタカミのことで頭がいっぱいでした。

 

 

それでは。